エボラ出血熱の治療薬・ワクチンの現在地。実は開発は簡単?
現在、西アフリカを中心に感染が拡大しているエボラ出血熱。なんでも死亡率は50%~90%と非常に高く、有効な治療方法・ワクチンがないとされていますが、ここにきて治療薬の開発競争が盛んになってきているようです。
流れを見てみますと。
8月4日 エボラ出血熱に感染したアメリカ人医師にマップ・バイオファーマシューティカル社のZマップを投与。奇跡的に症状が改善か?(Zマップはまだ未承認薬で、サルにしか実験投与していない。) CNNニュース
と臨床試験も行われていない薬を一か八かで使用したケース。
続いて、
8月6日 世界保健機関(WHO)が未承認の治療薬をアフリカで投与するかの会合を来週開く。 ロイター
ナイジェリア保健相がアメリカに未承認薬を大量入手できるか打診。
アメリカの研究者が治療薬の効果を見極めへ。
日本では、
8月7日 富士フィルムの子会社、富山化学工業がインフルエンザの治療薬「ファビピラビル」をエボラ出血熱の治療薬に使えないか米食品医薬品局と協議に入った。 日本経済新聞
などの動きです。
そこで、現在、最も有効なエボラ出血熱のワクチン候補を調べてみると。
- マップ・バイオファーマシューティカル社のZマップ
- テクミラ・ファーマシューティカルズ社の「TKMエボラ」
- 米プロフェクタス・バイオサイエンシズの薬
- 富士フィルムのファビピラビル
と4種類が有望とされているようです。いずれも未承認の薬で、有効と判断されれば臨床研究を急ピッチで進めるとのこと。
ちなみにカナダのテクミラ社と日本の富士フィルムはエボラ出血熱関連の報道で株価が大きく上昇しました。(1円も売り上げてないのに恐るべき投資家心理)
実は簡単だったエボラ出血熱ワクチン?
エボラ出血熱のニュースが世界的な話題になってから、急に治療薬の開発が進んでいるみたいですけど、実はもっと早く作れたのではないかと思うわけです。
一言で言うと「お金」の問題。エボラウイルスのワクチンを開発してもマーケットが小さすぎるわけで・・・、製薬会社(政府の資金援助も含め)が消極的になってたのだと。「アフリカ」という資金の乏しい発展途上国地域、年間の感染者数を考えれば治療薬開発に投資した資金が回収出来ないのは明らかでしょう。だったらインフルエンザのワクチン研究してた方が儲かりますからね。この辺は少人の難病患者に対する薬開発の課題だと思います。