佐川急便とヤマト運輸の女性配達スタッフ採用戦略の違い
「クロネコ宅急便の小荷物は午前中に届く?ヤマト運輸が女性を積極採用へ」から一歩踏み込んで、佐川急便とヤマト運輸の女性スタッフ採用方針の違いを調べてみました。
ヤマト運輸はチーム集配のコアとして
まずはクロネコヤマトの宅急便でおなじみのヤマト運輸について。前回の記事でも書いたように、ヤマト運輸はトラックを運転するセールスドライバー1名(男性)とパートの女性配達員数名がグループを組んで一緒に配送するチーム集配を目的にしています。具体的にいうと、セールスドライバーがトラックに大量の荷物を積んで地域拠点まで運ぶ。そこで女性スタッフの台車に荷物を分配する。午前中の在宅率の高い時間を狙って集中的に配達するというもの。
要するにクロネコヤマトの女性活用の狙いは、正社員のドライバーとチームを作って効率的に配送するメンバー的な役割。もちろん地域の顔としての役割も期待しているのでしょう。
佐川急便は女性ニーズを満たすため
一方、佐川急便の女性スタッフ採用強化は、軽トラックを運転して荷物を届けるというもの。正規の男性ドライバー(佐川男子)と同じ仕事内容を求められていると思われます。
「女性スタッフだと安心して荷物を受け取れる」
佐川急便が女性スタッフを採用強化する理由はこれにつきるでしょう。特に通信販売関連の荷物が右肩上がりで増えている現状で、受け取る側が女性の場合も多いはず。女性はネットショッピング好きですからね。そこでセキュリティー面で安心できる女性ドライバーに配達して欲しいニーズが確実にあります。しかも佐川急便はコンビニでの荷物受け取りできないので、自宅受け取りがベースになるわけで。
軽い荷物は女性、大型の荷物は男性は両者同じ
ヤマトも佐川もひとつ共通する方針は「小物は女性スタッフ、大型は男性ドライバーが届ける」っぽいです。佐川急便の場合、男性ドライバーは大きめの荷物を大型トラックを使って、パートの女性ドライバーは軽い小さめの荷物を軽自動車を使って配達しているイメージ。
これは男女の体型、体力的な差から考えれば合理的なのでしょう。
佐川急便とヤマト運輸の求人情報を比べてみると
2社の求人情報ホームページを見てみると「女性の働きやすいPR」では佐川急便が一歩リードしている感じ。
例えば「ここが私の輝ける場所」では佐川郵便の女性スタッフの活躍シーンを動画で紹介してますし、
※出典:佐川急便HP
現役セールスドライバーによる「○○のホンネ~先輩インタビュー」では3人中2人の女性を取り上げています。
一方ヤマト運輸もパート・アルバイト求人情報では女性の活躍を写真で紹介しています。(パートセールスドライバー、台車で荷物を運ぶフィールドキャストなど)
たしか男女雇用機会均等法でしたか
男性募集とか、女性募集とか性別を限定して求人情報を公開できません。
だからHPで取り上げている、この職種の活躍例など「男性」「女性」の取り上げている比率を見れば、企業が男性or女性のどちらを積極採用したいか「本音」を知ることができます。まさしく空気を読める日本人・・・らしい?