関西風vs広島風お好み焼き外食ビジネス。飲食店経営で考えてみる
外食ビジネスとして「広島風」と「関西風」、どちらのお好み焼き店が成功しそうか経営視点で比べてみました。
東京のお好み焼き事情&環境
- 店舗数比較でもわかるように、東京は「お好み焼き屋」が少ない。(大阪、広島と比べて)これは、競合する外食レストランが多く、さらに外でお好み焼きを食べる習慣も関東人はあまりないと予想。
- またお好み焼きにこだわりを持っている人も少数派。何ていうか「居酒屋のサイドメニュー品」で満足してしまう感覚です。それなりに美味しければいい!
- 東京都民(関東の人間)が自宅でお好み焼きを作る場合、関西風が大半だと推測。
- 東京には地方から上京してきた人、海外からの観光客といろんな人間が集まってきます。
つまり東京で出店する場合
- 競合の外食店に勝る「唯一無二の味」と「魅力(店舗雰囲気、接客、立地など)」、さらに「リピーター」を獲得しなければ生き残れないのかなと。競合は「お好み焼き店」のライバル関係ではなく、フレンチ、和食、イタリアン、居酒屋、ファストフードといったあらゆる外食チェーンだったりします。
- 地方出身者を狙った店舗、外国人観光客にターゲットを絞った店舗はおもしろいかもしれません。例えば、「カープファンが集まる地元広島風お好み焼き屋」みたいなコアな集客をした方が売上が安定しそうな予感。
- 東京含む関東の場合、専門店に絞れば「広島風」の方がニーズ高いかもしれません。これは家で作るお好み焼きは関西風だから、せっかく外食するなら「いつもと違う広島風を・・・」っていう行動になりそうなのです。
自分達で作る楽しさというニーズ
自宅ではめんどくさくても、専門店では「自分達で作る楽しみ」的な需要があると思います。
「スタッフが調理し、完成したお好み焼きをただ食べるだけのスタイル」より「家族、友人と雑談しながら目の前の鉄板で焼いて完成させるスタイル」。
後者のセルフサービス式の方が、あきらかに食事の満足感を味わえるはずです。しかも自分達で作ると美味さがプラスされますし・・・、キャンプ場で作るカレーライスみたいに。
ただスピードと回転率を求める外食ニーズとは真逆で、平日のお昼時など忙しいビジネスマンは絶対に来店しないと思われます。ここら辺はお好み焼き屋のデメリットっぽい。
回転率&コスト
お好み焼き店舗の回転率を考えると、
「スタッフ調理&完成品提供」 > 「客が鉄板で焼いて作るセルフ式」
と判断しました。セルフサービス式は世間話しながらスローペースで焼き上げますからね。(来店客次第)
一方のコスト面でいうと
「客が鉄板で焼いて作るセルフ式」 > 「スタッフ調理&完成品提供」
と逆転するはず。
まとめると、
- 客が鉄板で焼いて作るスタイルは「完成に時間が掛かる」→「回転率が悪い」
- 客に焼いて作ってもらったほうが「調理担当の人件費コスト」が掛からない
調理方法によるメリット、デメリット。出店の初期費用とか
お客が鉄板で焼いて作るスタイルのお店の場合(セルフサービス式)
- 各テーブル席に鉄板焼機器を設置しなければならない→設備投資の初期コスト増
- 調理場は小スペースでOK(お好み焼き焼くスペースいらないから)→店舗什器コストは低い
- テーブル席が大きくなる(鉄板スペース)ため、席数(入客数)が少なくなる→経営効率悪い
- 光熱費(電気代)が高くなる→たぶん調理場1ヶ所でまとめて焼いた方が省エネ。
- 一人客向けの店舗設計は難しい。→個人客用の鉄板用意する?
- 客に料理を待たせる不満はない。→自分達で焼くのでね。
店員が調理して、完成品を提供するお店の場合
- 調理場スペースに大きめの鉄板焼機器を設置しなければならない。
- 各テーブルに鉄板焼必要ないので初期の出店コストが安い。
- 座席数が多めに確保できる。
- お一人様の個人客にも柔軟に対応できる。
- 満席時に調理が追いつかず、客を長時間待たせる恐れがある。
以上、思いつく範囲で並べてみました。
顧客ニーズ云々を無視して、ビジネス面だけ考えると、スタッフがまとめてお好み焼き焼いて提供するスタイルの方が効率よさそうです。
関西風vs広島風、お店経営するなら・・・
最後に、関西風お好み焼きと広島風お好み焼きをコスト面で比べてみると、
たぶん、広島風の方がコスト掛かる(経営リスク高そう)・・・
例えば、
- 調理する時間の長さ(焼き上がりまでの作業工程)はお客の回転率を悪化させるし
- 麺など材料レシピを別々にいためる分、鉄板スペースも広く確保しなければならない
- 広島風の作り方わからない客にスタッフがレクチャーしなければならない(人件費高)
- 関西風と比べて生地(小麦粉)の量の少なさも、たぶん原材料費に影響してそう
※おそらく原材料コストの中で小麦粉がもっとも安い
といったところです。1日、2日では僅かな差でも、ちりも積もればなんとやら・・・ですから。