中小 VS 大手。FX会社の倒産リスクについて。
十数年に一度とも言われる先のスイスフランショック(4000pipsほど為替レートが吹き飛んだ)によって学んだ、個人向けFXリテール会社の倒産リスクについて簡単なまとめ。そして、そのリスクマネジメント(リスク管理)について。
1.信託保証は有効だった
まずは個人のお金は守られるのかという話。オフショアなど海外の業者は除外、日本のケースは顧客の資産(証拠金等)を保護するため必ず信託銀行などに保全を義務づけられています。
この信託保証、実際に倒産した時、本当に遵守されるのかという疑問符がついてました。
「会社破綻してしまいました・・・、一部の資金しか保護してませんでした・・・。ごめんなさい!」的なブラックな業者はいないのかと。
で、実際にアルパリUK(本社)が破綻した後、アルパリの日本法人はどう対応したかというと、
「お客様の証拠金はすべて信託保全されています。順次、資金の引き出しに対応します。」
の回答。信託保証は機能していました。
2.大手FX会社ほどダメージを負った
一般的に大手(大企業)ほど経営は安定していて倒産リスクが低いのが常識。しかしFX会社の場合はそうとも言い切れない状況がわかりました。
その理由1:大口投資家の存在
今回のスイスフランの損失はハイレバレッジで比較的大きめな資金で運用していた大口投資家&法人顧客が多額の損失を被りました。そう、つまり初心者向けの小口トレーダーを多く抱える中小のFX業者より、プロの顧客が多い大手業者ほどダメージを負いました。(また中小の業者はスイスフラン通貨ペア提供してないケースも)
その理由2:ロット数の大きさ
中小FX会社は新規注文枚数制限100万~300万くらいが平均なのに対し、大手は500万~1000万、あるいは制限なしというところも。このロット数が損失を拡大させてしまったようです。
まとめると
小規模の業者ほど安全で大手ほど危険に晒されるというなんとも皮肉な結果に。
3.ハイレバレッジの海外業者ほど損失を出した
ハイレバレッジは資金を効率よく増やす魅力的な仕組みですが、スイスフランショックでは仇となりました。
日本のレバレッジ規制25倍(個人)に比較して海外はレバレッジがゆるいです。オフショア拠点を持つ企業などは100倍~も普通にあり。たしかアメリカは個人でも50倍だったと思います。(今回の出来事でアメリカでもレバレッジ規制が議論されているそう)
4.資本が脆弱だった
FX会社も金融業なので莫大な資本と体力を持っている・・・イメージでした。10億~100億とか吹き飛ばしても補填できるものだと。
個人向けの為替取引がスタートして歴史が浅いからか想像以上に脆弱だったと、今回の一件で学ぶことに。FX専業ではなく「歴史ある証券会社」のFX事業であったならばまだ安全なのかもしれません。