東京証券取引所が夜間取引を始めるメリット・デメリット
東証がより多くの個人投資家に株式市場に資金を投じてもらうため取引時間の延長を模索しているようです。NHKニュースによると夕方市場と夜間市場を設ける2案があるということ。夕方市場はアジア各国からの投資を呼び込み、夜間市場は仕事終わりのサラリーマンの参加を想定しているそう。
しかしまだ素案の段階だそうで、業界体質からすると実施まで相当な長い期間が掛かることでしょう。
リスクが小さいなら、とりあえずはじめてみて→結果を分析して→駄目だったら止めるor効果あったら継続するやり方のほうが物事進むの早いと思われます。
株式市場の取引時間延長のメリットデメリット
取引時間の延長は基本的に市場参加者の増加を狙っての策なんでしょうけど、その中で誰が得して、誰が損して、時間延長の効果やリスクの有無など想定される問題をピックアップしてみました。
メリット
1.サラリーマン個人投資家が増える
株式市場がオープンしている日中にトレードできないサラリーマン投資家は確実に増加するでしょう。(FXとは競合しそう)
2.欧米からの投資家が増える?
日本の夕方~夜間~深夜の時間帯は、ヨーロッパ&アメリカのマーケットがオープンしている時間帯と重なります。もしかしたら海外からの投資が活発になるかもしれません。
3.オンライン証券会社の事業拡大チャンス
ネット証券にとって営業時間延長は売上を伸ばす大チャンスとなること間違いなしです。
デメリット
1.東京証券取引所の運営コスト増
当然ですが営業時間が延びれば(しかも夜間)、それだけ運営コストが膨らみます。
2.旧型の証券会社の経営コスト増
低い手数料のオンライン取引事業に弱く、古い体質の証券会社(電話注文?)は負担が増大するでしょう。
3.投資の分散化によるボラティリティの低下
所詮、個人投資家の投資金額程度でマーケットが動くのか疑問。取引時間が長い=分散化=ボラティリティーが低くなる可能性もあるわけで・・・。
4.日本の経済指標、企業ニュースが乏しい
企業&政府は夜間に経済指標もプレスリリースも発表しません。なので日本国内の材料で売買の活性化は疑問。
以上、今のところ想定できる効果やリスクを挙げてみました。どうせやるなら24時間取引とか大胆な戦略に打って出たらどうかと思う。世界的な金融都市、東京を目指すのならば。