衛星インターネット接続「スターリンク」の登場で、日本の通信事業会社の将来性が危うくなる予感がする件。
NTTドコモ、NTT東日本&西日本、ソフトバンク、KDDI(au)、楽天モバイル…光ファイバーや携帯電話など通信業界は生活に必要不可欠な通信インフラです。事業の収益性高く安定企業(人気就職先)とも言われていますが、もしかするとスターリンクがその地位を脅かすかもしれません。
スターリンクと光ファイバーの価格差
光ファイバー一戸建てタイプの料金
- NURO光戸建てタイプ:月額5700円
- ビッグローブ光ファミリータイプ:月額5698円
- ソフトバンク光ファミリー:月額5720円
光ファイバーマンションタイプの料金
- NURO光forマンション:月額3630円
- ビッグローブ光マンションタイプ:月額4488円
- ソフトバンク光マンション:月額4180円
その他光回線工事費用で数万円。
スターリンクの料金
- 初回ハードウェアキット購入費用:36500円
- 月額6600円
※初期の1万2000円程度だった月額利用料が割引され6600円に価格改定。
スターリンクの料金プランが値下げされた結果、光ファイバーとの価格差が縮まってきています。
インターネット接続スピードの差はあまりない
海外のスターリンクユーザーの動画を見る限り、
- 動画視聴(Youtube・ネットフリックなど)
- オンライン会議、ライブ配信
- オンラインゲーム
- メール、ウェブサイト閲覧、ネット検索
すべて問題なく快適に利用できていました。一部の特殊ユーザーを除き、接続スピードに関しても光ファイバーとの差はほぼ無い(体感的に)と考えられます。
※一部の特殊ユーザーとは
〇〇ミリ単位のスピードを求める業界(個人)、例えばeスポーツのプロゲーマー、遠隔医療(手術ロボット)、金融プログラムトレードのHFT(高頻度高速取引)など。
※関連:Starlink(スターリンク)の接続スピードvs光ファイバーの比較-速度&Ping値&Jitter値
※関連:Starlink(スターリンク)でオンラインゲームは可能か?
衛星インターネットのメリット、強み
スターリンクの特徴、メリットとして考えられるのが
- 移転・引越しが簡単
- 場所を選ばない
- 海外でも使える
- 災害時に強い
引っ越した先の開通工事など不要なこと(設置が簡単)、都会から地方の田舎まで基本的にどこでもインターネットに繋がる(例えば富士山の頂上、太平洋の海上、北海道の森の中でも)
さらに大地震など災害時にも通信インフラとして機能する点。
光ファイバー、4G・5G通信の弱点
光ファイバーや4G、5G通信のデメリット&弱点がこちら、
- 開通工事に時間がかかる
- 場所を選ぶ
- 海外で使えない
- 災害時につながらない
引越し時の開通工事に時間がかかる点(数週間~数か月)。また光ケーブル回線や携帯基地局電波のカバーされた範囲でしか接続できない点。
そして大災害時にインターネット回線、電話回線が断絶するリスク。
数十億人の世界市場と1億2千万人の日本…市場規模の違い
最も日本の通信業界の将来が危うくなるであろう理由がこちら。マーケット規模の違い。
スターリンクは世界数十億人(一部の国、中国など除いても)規模のユーザを顧客にビジネス展開できます。市場規模が大きければ、それだけ価格競争力も強い。
さらにイーロンマスクの考えることなので、インターネット接続だけに留まらず、「衛星携帯電話(モバイル)、クラウド、AI関連サービス(自動運転&遠隔操縦)」まで事業拡大を視野に入れていると思われます。
一方、日本の通信事業会社の顧客は国内のみ。
日本人1億2000万人の市場規模を、数社(NTT、KDDI、ソフトバンク…)でシェア奪い合っている通信会社が競争で勝てるのか疑問。
もしスターリンクが、
- インターネット接続:月額2900円
- 携帯電話(音声・データ通信):月額1900円
とさらなる値下げで攻めてきたとき、
日本の通信事業会社は太刀打ちできるのでしょうか?