金利上昇と銀行株。業績のプラス面&マイナス面(リスク)を考える




金利が上がると収益力回復期待から銀行株(金融株)が買われる。一方で金利上昇による負の側面、事業のリスクも。

昨今の日銀の金融緩和政策修正による金利上昇の思惑から軒並み銀行株が買われています。以下は主な金融機関の株価チャート(月足)

左上チャートから主な都市銀行&地方銀行グループの株価。
  • 「三菱UFJ銀行」
  • 「りそな銀行」
  • 「三井住友銀行」
  • 「みずほ銀行」
  • 「コンコルディアFG(横浜銀行・東日本銀行)」
  • 「九州FG(肥後銀行・鹿児島銀行)」
  • 「ゆうちょ銀行」
  • 「西日本FH(西日本シティ銀行・長崎銀行)」
  • 「千葉銀行」
大手メガバンクから地方の中小銀行まで、ほぼすべての銘柄で上昇トレンドになっていました。

金利上昇による銀行のメリット(プラス面)

銀行株が買われている最大の要因はこちら、
  • 社債、国債の利回り向上
  • 法人向け事業融資の利回り向上
  • 住宅ローン金利の利回り向上
「個人や法人に貸し付ける融資」「債券(社債、日本国債)」の金利収入がUPすることで好業績が期待できるから。

金利上昇による銀行のリスク(マイナス面)

一方、金利が上がることによる負のリスク要因がこちら、
  • 企業&個人の金利負担増による貸し倒れリスク(デフォルト)
  • 保有債券の評価損リスク
  • 外貨建て債券の為替変動リスク(円高)
まず金利上昇から保有している債券(国債)価格が下落し評価損となる。また円高進行(金利上がると円高になる可能性高い)による外貨建て債券の利回り減リスク。
さらに融資先の貸し倒れリスク。
個人のケースだと変動金利で借りている住宅ローンが支払えなくなる。企業の場合は新規融資、借金の借り換え(債券・融資)が難しくなる等。金利負担増によるデフォルト確率が高まります。またデフォルト警戒した金融機関が貸し渋る可能性も。
資金調達が難しくなれば業績悪化し景気後退に繋がるわけで、不景気による融資先減少で銀行経営に悪影響を及ぼす側面もあるかなと。