福岡といえば日本全国でも地震の少ないエリアとして知られていましたが、2005年に起きた「福岡県北西沖マグニチュード7.0」によりその安全神話が崩れてしまいました。
今回、福岡県内を震源とする過去と現在(リアルタイムで起きている)の地震を調べることで、
どの場所が地震の多い危険地域なのか、またどこが地震の少ない安全な地域なのか…地域によるリスク(確率)を探ってみたいと思います。
福岡の過去の大地震
まず過去に発生した規模の大きな地震の歴史から。
気象庁の地震データーベースを使い以下の条件で検索してみました。
- 期間:1923年1月1日~2016年1月22日まで
- 規模:震度4以上
(出典:気象庁HP http://www.jma.go.jp/jma/index.html)
結果が上の画像になります。
まず注目すべきは福岡県北西沖(玄界灘)~博多湾を震源とする地震。
2005年3月20日に発生した「福岡県北西沖:M7.0/震源の深さ9km/震度6弱(福岡市)」をきっかけに、
その後「M5クラス/震度4~5強」の余震が2ヶ月間に8回ほど起きています。
そしてもう一カ所は福岡と大分の県境(一応、震源は大分県西部)。
ここでも、
- 2009年6月25日 M4.7/震源の深さ12Km/震度4
が発生しました。
福岡県北西沖地震(M7.0)より前はというと
この大地震が起きた以前はどうだったのか、震度を1ランク落としてを調べてみました。
- 検索期間:1923年1月1日~2005年3月19日
- 震度:3以上
(出典:気象庁HP http://www.jma.go.jp/jma/index.html)
震度3以上になると佐賀県と近接する福岡県西部で発生頻度が高まるようです。
ここで重要なのは2005年3月19日まで博多湾および北西沖で地震が発生してなかったこと。
つまり群発地震や小規模な地震のような前兆など観測されない空白地帯で、いきなりM7.0が襲ったことになります。
過去5年では
次に直近の過去5年間(2011年~)で発生したマグニチュード2.0以上の地震を表示してみました。
(出典:気象庁HP http://www.jma.go.jp/jma/index.html)
ひとつは「玄界灘~博多湾~福岡市~太宰府市~朝倉市~日田市(大分)」と斜めの一本のライン(帯)のように集中しているのが確認できます。
あと「有明海から熊本県と福岡県の県境(大牟田市周辺)」でも多くの地震が発生しています。
ただ2005年まで佐賀県との県境を震源としていた地震は終息した模様。
最近30日間の地震活動
最後にHinet(高感度地震観測網)で直近1ヶ月間の状況を表示してみました。
(出典:防災科学技術研究所 http://www.hinet.bosai.go.jp)
この画像から見えてくることは、
- 博多湾周辺で活動が活発な状態が続いている(福岡西方沖地震の余震継続中?)
- 大分県との県境で散発的な小規模地震がある
- 熊本県との県境で散発的な小さな地震が起きてる
- 何れも体に感じないM1以下で震源が浅い(10Km程度)
ということになります。
安全な地域と危険な地域
これら情報を参考に結果をまとめると、
地震のリスクが高いと思われる地域
- 福岡市(博多)周辺
- 福岡県東部(朝倉市、うきは市)周辺
- 福岡県南西部~有明海(大牟田市、柳川市)周辺
- もしかすると福岡県西部(佐賀の県境)も危ないかも
理由:今現在も震源の浅い小さな地震が多く起きている。
地震が少ない安全だと思われる地域
- 福岡県北東部(北九州市、中間市、直方市)※ただし周防灘は危ない。
- 福岡県南東部(田川市、行橋市、豊前市)
- 福岡県内陸南部(久留米市、鳥栖市(佐賀))
理由:過去の歴史から現在においてほとんど地震が発生してないから。
でもこれはあくまで確率的なものです。なぜならM7.0の地震は前触れなくいきなり発生したので。
以上、個人的な調査結果でした。